「そろそろ、No.1を入れ替えよう。」
こう銘打った巨大広告が昨年の10月、渋谷駅前に突如現れた。広告主がコンビニエンスストア店舗数で業界2位のファミリーマートだったことから、業界最大手セブン-イレブンに対する挑戦状だとメディアはこぞって取り上げた。
「特定の企業を対象にしたものではありません。消費者から一番おいしいといってもらいたい。ただそれだけなのです」(ファミマ広報担当者)
ファミマの商品はこれまで大手3社のなかでも「おいしくない」というイメージが付きまとっていたが、これを払しょくするのが大きな狙いだという。ファミマは商品戦略を大きく見直し、昨年10月18日にはプライベートブランド(PB)の刷新を発表した。消費者への認知度が低いといわれてきたお菓子類や日用品が中心の「ファミリーマートコレクション」と、抗議が殺到した総菜類の「お母さん食堂」など複数あったPBを「ファミマル」に一本化。店頭での訴求力を高めていくという。
なぜここにきて、急に店舗や商品の訴求力強化をアピールするようになったのか。
「昨年から旧サークルKサンクス(CKS)と大規模な契約更新が始まっているからではないでしょうか」
大手コンビニ幹部はこう語る。そして契約更新のピークの時期が2022年になることから、「ファミリーマート2022年問題」と呼ばれている。
ファミマがCSKを傘下に持つユニーグループ・ホールディングス(GHD)と合併契約を締結したのは2016年2月3日のことだった。当時ファミマの国内の店舗数は1万1930店舗、CKSは6712店舗、合計すると1万8642店舗となる。これは業界では圧倒的な首位を維持し続けてきたセブン-イレブンの国内店舗数1万8572店舗を超え業界トップに躍り出ることになる。
その後16年9月1日から「One FamilyMart」を目指し、全国36都道府県に展開する「サークルK」「サンクス」のブランド転換を開始した。17年1月4日の「新年のご挨拶」でユニー・ファミリーマートホールディングスの上田準二社長(当時)は次のように語っている。
「昨年9月にユニーグループ・ホールディングスと経営統合し、新会社『ユニー・ファミリーマートホールディングス』として大きな転換を遂げた年でありました。加盟店の皆様や社員、お取引先など新たな仲間を多数迎え、CVSでは国内において約1万8000店規模になるとともに、GMSを含めた国内グループ全体の売上高は4兆円に迫るなど、新たな流通グループとしてスタートを切りました。2017年もユニー・ファミリーマートホールディングスは、『くらし、たのしく、あたらしく』の企業理念のもと、常に新しい価値を創り出し、お客さまに新鮮で楽しさ溢れる毎日のくらしをご提供できるよう、グループ一丸となって取り組んでまいります。CVSにおいては、商品はもちろん、物流・ITなどのシステム統合を早期に完了させ、サークルK・サンクスからファミリーマートへのブランド転換を一気呵成に進めてまいります。そして、全国約1万8000店のスケールメリットを活かし、店舗におけるあらゆる分野での『質』を徹底的に高めてまいります」
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