第94回センバツ高校野球大会(3月18日から13日間・甲子園)の出場32校を決める選考委員会が28日、オンライン形式で開かれる。一般選考は明治神宮大会枠を含めて29校。21世紀枠は困難な条件の克服や地域への貢献、文武両道など戦力以外の特色を加味し、最終候補9校から3校を選出する。北信越地区から21世紀枠の最終候補に挙がる丹生(福井)は、選出されれば春夏通じて初の甲子園となる。
人口2万人の町にある高校が吉報を心待ちにしている。丹生主将の来田竹竜内野手(2年)は「ずっと甲子園に出たいと思っていたけど、出られるチャンスが本当に来るなんて…。緊張してます」と笑顔をみせる。
部員全員が県内出身で地元の越前町や近隣の鯖江市がほとんどだ。大雪に見舞われた時には部員が自主的に地域の雪かきに協力。高齢化が進む雪国で地域への貢献も評価されての最終候補入りし、自身も越前町出身の来田は「自分が生まれ育った地域でセンバツに出られれば町の活性化にもなる」と力を込める。
冬は武道場でのユニークな練習が中心だ。練習前には畳の上で全員があおむけに寝そべって足の指を動かす。その後は高さ60センチのブロックにジャンプで乗り降りしたり、ボクシングのミットとグローブでパンチを打ったりする練習が続く。
春木竜一監督(49)は「体の使い方がうまければ強いパンチが打てる。自分の体の使い方がうまくないと、野球もうまくなれない」と独特な練習の理由を説明する。工夫を凝らした練習で2019年夏には玉村昇悟投手(現広島)を擁して福井大会準優勝。昨秋の県大会では4強入りするなど実力も付けてきた。
「もう選ばれる努力はできないけど、選ばれるチャンスはあると選手に伝えてます」と春木監督。人事は尽くした。あとは天命を待つばかりだ。
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